外村(いちご100%)「恋する獣」

2/7
前へ
/34ページ
次へ
空を、見ていた。 夕焼けの空はピンクにオレンジ、紫のグラデーションでキラキラ光っていて。 そんな夕焼けをじっと見ていたものだから、あたしの目はチカチカして、そっと目を伏せた。 ひゅうと吹き抜けた風でロングの髪が巻き上がる。 それを手で押さえて窓枠に寄りかかった。 「ほーお、いい足してるねー」 突然声をかけられてびっくりして振り返ると、カメラのシャッター音を響かせて、そいつは後ろにいた。 目がチカチカしてるのと巻き上がった髪でよく見えない。 「てゆーか、パンツ丸見えだよ?」 カメラを下ろして、長い前髪で目元が隠れたそいつは口元だけでニッと笑った。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加