外村(いちご100%)「恋する獣」

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「…あんた誰?」 「そういうキミこそ誰だよ?ここ映研の部室なんだけど」 思わず怪訝な顔をしてしまったけれど、この教室に勝手に入っているあたしは映研とはなんにも関係ない部外者なわけで。 おそらく映研の人であろう目の前の男がむっとするのも仕方ない。 「あ…ごめんね、廊下から見えた夕焼けがすごくキレイだったから…」 慌てて詫びてまた空を見ると、オレンジのグラデーションは薄いサファイアのカーテンをかけたような色になっていた。 こんな空もキレイだな、なんて考えながら風でぐちゃぐちゃになった髪を手ぐしで整えた。 と、またシャッター音。 「…さっきから何やってんの?」 「いやーキミのもの想いに耽る横顔!いいねー!キミも俺のホームページに載せたいなー」 そう喋りながらカメラを操る手を休めることはない。
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