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それはたわいもない日々だった。
いつものように学校へ来て溜まり場へと行きそこで和人と会って会話を交わす、そんな日々。
それが崩される事になるなんてあの時は思っていなかった。
「和人っ」
「おお、辰真、はよ」
「何、また朝帰りかよ?それ」
「んー?まぁ、そんなとこだ」
それ、とは首筋に残るキスマーク。
和人は喧嘩だけでなく女誑しとしても有名だった。
和人が遊ぶ女は年上で遊び慣れて居るはずなのに独占欲が強い、最後には遊びじゃ済まなくなるってタイプの女ばっかりで、和人はその女たちが本気になったらすぐに捨てるような最低な男だった。
高校に入ってすぐにその話が広まったが、和人は何故かモテるままだった。
捨てられると分かっていても女たちは本気になってしまう。
和人はそんな危険な魅力を持った男であった。
ダチ連中はみんなして和人の何処が良いんだとか言うけど、和人の良さは言葉では表せないのだと俺は思う。
じゃないとこうして和人に着く人間だっていやしない。
みんな何処かで和人に惹かれてるんだ。
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