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「…俺、ちょっとトイレ行ってくる…」
「おー」
これ以上和人と一緒に居ればボロが出てしまう。
そう思った俺は和人や仲間たちにトイレ、と告げて溜まり場を離れた。
先ほどの和人との会話によって浮かんだ熱を孕んだ感情を冷ますようにゆっくりとした足取りでトイレに向かう。
途中、伊勢のとこの人間と擦れ違ったが今は雑魚相手に争うつもりもないので無視した。
「…ったく…何のつもりだよ…和人の奴…人の気も知らないで…」
トイレに入り誰も居ないのを確認すると水道で先ほどの会話を思い出して火照ってしまった顔を勢い良く洗ってから1人呟いた。
ポタポタと髪や顔から水滴が落ちるのも気にせず洗面台に腰掛け左手でポケットから煙草を取り出して火をつけようとしたときにトイレの入り口が開いたので其方に視線を向ける。
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