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「…ほんとに、和人には…言わねえんだろうな?」
「…お前次第、だよ」
煽るように笑う伊勢。
「…分かった…」
和人と俺の関係を守るためなら、この身だって差し出せるさ。
和人は、俺の絶対なる存在なんだから。
「携帯、貸せよ」
「…何で」
「連絡着かねえと困るだろ?」
「…ほらよ」
渋々携帯を取り出し、伊勢に手渡すと伊勢も己の携帯を取り出して赤外線通信で登録するのであろう操作をしている伊勢から携帯が戻るのを待った。
「高沢に俺との事がバレないように名前は変えといてやるよ」
登録し終えたのか戻って来た携帯に表示されていたのは『真希』という名前。
…確かに、これなら伊勢だとはバレないだろう…。
「メールが主だろうが電話もするかも知れないからな…そこら辺の設定は自分でしとけよ」
それだけ言い残すとトイレから立ち去った伊勢。
…いつでも相手出来るように準備しとけ、ってか…?
軽く溜め息を吐きながら俺も和人が待つであろう溜まり場へと向かったのだった。
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