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――遡ること二ヶ月。土日連続で練習試合が組まれていた。三年生にとっては、最後の大会のベンチ入りメンバーを決める大きな二日間である。 キャッチボール、トスバッティングといった軽めの練習も終わり、試合前のシートノックの準備をしていた。 三年生の、特にレギュラーでない部員たちは緊張したおもむきである。 (`・ω・´)「ブーン!」 (*^ω^)「はい! なんですかお?」 内藤はシャキン監督に呼ばれ、喜々として答えた。試合に出されるかと思ったからである。 (`・ω・´)「…すまんが、今日はお前を出すつもりはない。シートノックで球継ぎをやってくれ!」 ( ^ω^)「お…」 内藤はすぐに返事を返せなかった。ベンチ入りメンバーを決める試合に自分が出れないと言われ、夏の大会でもベンチには入れないと確信したからだ。 返事をしきれないうちに、シャキン監督は目の前を去っていた。相手チームのシートノックが終わる。 キャプテンの号令で、チームメイトがポジションの方に駆けて行った。内藤はそれに着いて行くように走った。グローブでなく、ボールの入ったカゴを持って。
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