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「すげぇ…これでもう悔いはねぇな…」大きな一本桜を見上げふっと切なげな笑みを浮かべる
「昼間の桜もいいが夜桜もまた格別だねぇ…」草原に座り顎を触る
「見れただけで…ありがたい…」鼻を啜りながら呟いた
「よし決めた…新之助…私と取り引きしないか?」懐から手紙を取り出し見せる
「取り引き…つまり俺を逃がす代償…」手紙を見つめ呟く
「察しがいいね、この手紙に書いてある方は幕府にとって大事な方々なんだ…君に守って貰いたい、悪い話しではないだろう?」ずいっと刀を前に出す
「俺の刀…分かった…俺の命あんたに預ける…」刀を受け取りゆっくりと頷く
「君なら安心して任せそうだ…何かあったら知らせてくれ」ふっと笑い手を振る
「…良き計らい…ありがたい…」深くお辞儀をし手紙を受け取る
「武運を…祈ってる」立ち上がり奉行所へ歩いていく
「また…見れるのか…」桜の木に額をつけ嬉しそうに笑った
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