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真っさらな絹で作られたウェデングドレス。
隣には、優しく微笑む彼。
私は人生最高の日を明日迎える。
「すこし待っていてくれるかい?車を回してもらうから……いいね」
年上の彼とは兄の紹介で出会った。最初はただ会うだけだと銘打ったが、すぐに惹かれた。
運命とすら思った。
優しく、堅実でなにより仕事が出来る。会社の重役として働く私としても申し分のない男だった。
加えて見てくれもわるくない。
にっこりと笑った私をみて、彼は肯定ととったのだろう。ホテルの駐車場に向かった。
素直じゃないのは家系だとおもう。だけど、本気で彼を愛している。
明日の式に思いを馳せながら、私はすっかり暮れた空を見上げた。
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