2 これは【夢】だから…

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2 これは【夢】だから…

それは、突然やってきた!! あの夢から約一年後の冬。   俺は、以前感じた事のある冷たい風の感覚に目を覚ました。 ゆっくりと瞳を開ける。 目の前に広がった風景は、以前とは違う風景であった。 そこは、ゴツゴツとした岩肌の洞窟 それも、幅の広く先の見えない程の大きな洞窟の中だった。 俺は辺りを見渡してから、ふと上を見上げた。 そこには、ぽっかりと開いている三角形の口が見えた、その向こうには満天の星空が無数の煌きを放っている、吸い込まれそうな夜空が見えていた。 その口は、這上がる事は出来そうにはない程の高い位置にあった。 俺はため息をつきながら出口を探そうと思い、薄暗い洞窟の前後へと目を向けた。 わかる訳がない…。 途方にくれていると、暗闇に包まれている洞窟の向こうから子供の声が微かに聴こえてきた。 …? 俺は、とりあえず、子供の声の聴こえてくる方へと歩み始めた。 どの位歩いたか分からないが、やがて目に見えたものは、木製で見上げる程の大きな扉だった。 その扉の前で数人の子供らが遊んでいる。 俺は、その扉が出口だと思い近付くと、俺に気付いた子供らは動きを止め、俺に視線を向けた。 その目は…。 俺は扉の前に立つと、一度子供らに視線を向けた。 そこにいる子供らは6人。 白髪の男の子と背中を覆う程長い髪の女の子 短い髪の女の子に野球帽を被った男の子。 そして…両側から三ツ編みの髪を垂らした女の子と髪の毛…いや、体に毛らしきものの無い男の子が、揃いの質素な着物を着て俺を不思議そうな瞳で見ていた。 俺は、小さく微笑みながら扉へと視線を向けた。 そして…、次の行動を考えようとしたその時!! 痛い程の冷たい感覚が左手首から感じ、背筋に緊張が走った。 ゆっくりとその感覚を確かめる。 すると!! 俺の左手首をまったく毛の無い色白で目玉の大きな男の子が掴んでいた、そして、盛んに「うぅ、うぅ…」と声では無い、獣の様な声で扉を指差している。 その表情は、…いかにも…と言う表情であり、少しだけだが悪寒が体を走った。 男の子は盛んに俺を、扉へと誘う。 …やっぱり? と思いながらゆっくりと右手を扉に向けると、男の子は薄い笑みを見せた。 …? 俺は不審に思った瞬間、その手を三ツ編みの女の子が掴んだ、そして。 俺は、女の子を見る。
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