歯医者サン

3/7
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
仕事も終わり 一時間前だとゆうのに 1人イソイソ、ソワソワと落ち着かず… まるで今からデートですか? と…いわんばかりに身だしなみを整えるNOG。 たかだか歩いて1分足らずの歯医者に行くだけなのに見た目は完全にヨソ行きのビシッとした格好を決めてかかるNOG。 俺はまるで張り込みの刑事のように時計と外の様子を伺っていた。 『さて……時間だ……』 俺は家のドアノブに手をかける… 『ガチャリ…』 ドアを開けると同時に冷たい風が俺の体に襲いかかる。 まだ、10月の半ばだというのに、まるで12月上旬辺りに吹くっぽい凍てつく風が骨身に染みる……。 『ちっ…。』 俺は軽い舌打ちすると同時に洋服のエリを立てた。 首を寒さから守る為だ…… 『今夜は冷えるな…』 『キン!』 『シュボ!!』 おもむろにポケットから取り出したタバコに火をつける… もちろんライターはZippoだ……。 Zippoにはそれなりにこだわりがある… …俺とZippoは…………… イヤ、やめておこう。話が脱線しがちだ……。 …さぁ行こう…… 恐らくこの風が止む事はない… …行かねば… 俺はブーツのカカトを鳴らしながら歩き始めた……
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!