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異常なほど速く走れる。
走るというよりは、飛んでいるかも。
冗談抜きで、地面を強く前に蹴ると飛ぶように進むんだ。
「はは…なんだこりゃ…」
民家の影に飛び込んで息を潜める。
やべぇ、なんだこの感じ。
毛穴という毛穴が開くのが分かるような感覚。
今なら、100mmの世界記録なんて赤ちゃんだぜ。
ふぅ…だいぶ落ち着いてきたな。
悔しいけど、おっさんのトコに戻ろう。
もう一度状況を確認しないと。
プシューッ
し ま っ た !
くそっ、落ち着きすぎた!
囲まれてやがるっ!
隠れていた家の塀の上に、エアーが抜ける音がしてアンドロイドが立っていた。
4体に囲まれて、まさに四面楚歌。
んなトコで死んでたまっかよって!!
塀に向かって肩を叩きつける。
劣化した塀だから、きっと壊れるはずだ。
ドゴッ
バラッバラ…ン
俺サイズに空いた穴を通り抜けて走り出す。
ざまぁみろ!
そう思ってバカにするつもりで少し振り返る。
…ありゃ銃か?
飛び道具はズルくない?
パシュ…と音がして、アンドロイドが構えた銃から何かが発射される。
それは弾丸ではなくレーザービーム。
終わったな…そう思った瞬間、叫び声が聞こえる。
「少年っ!!
しゃがめっ!!」
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