第一章 ~機械なんかぶっ飛ばせ~

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異常なほど速く走れる。 走るというよりは、飛んでいるかも。 冗談抜きで、地面を強く前に蹴ると飛ぶように進むんだ。 「はは…なんだこりゃ…」 民家の影に飛び込んで息を潜める。 やべぇ、なんだこの感じ。 毛穴という毛穴が開くのが分かるような感覚。 今なら、100mmの世界記録なんて赤ちゃんだぜ。 ふぅ…だいぶ落ち着いてきたな。 悔しいけど、おっさんのトコに戻ろう。 もう一度状況を確認しないと。 プシューッ し ま っ た ! くそっ、落ち着きすぎた! 囲まれてやがるっ! 隠れていた家の塀の上に、エアーが抜ける音がしてアンドロイドが立っていた。 4体に囲まれて、まさに四面楚歌。 んなトコで死んでたまっかよって!! 塀に向かって肩を叩きつける。 劣化した塀だから、きっと壊れるはずだ。 ドゴッ バラッバラ…ン 俺サイズに空いた穴を通り抜けて走り出す。 ざまぁみろ! そう思ってバカにするつもりで少し振り返る。 …ありゃ銃か? 飛び道具はズルくない? パシュ…と音がして、アンドロイドが構えた銃から何かが発射される。 それは弾丸ではなくレーザービーム。 終わったな…そう思った瞬間、叫び声が聞こえる。 「少年っ!! しゃがめっ!!」
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