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その言葉で正気に戻る。
思ったよりもレーザービームは速くない。
その場にしゃがむと、スレスレをレーザービームが通り過ぎた。
壁にはレーザービームで空いた穴が。
「援護するから早くこっちこい!」
さっきのおっさんが手招きをしている。
しゃがんだ状態から一気にフル加速だっつーの。
パシュッ
パシュッ
レーザービームが放たれた音がする。
尋常じゃない速度で走る俺は、おっさんの横まで辿り着いた。
俺に迫ってきていたレーザービームに、おっさんがさっき俺に投げてきた黒いローブを広げてガードしようとしている。
そりゃ無理ってもんだぜっ!?
劣化しているとはいえ、コンクリートの塀に穴を空けるんだぜ?
ボフンッボフンッ…
ローブの前で消えるレーザービーム。
ありえねぇだろ?
「ほらっ、ボケッとしてねぇで走れっ!」
「おっおぅ!」
おっさんがレーザービームを黒いローブで防ぎながら逃げる。
受付の下の隠し階段に逃げ込んで、ホッと一息ついた。
「…あ…ありがとう」
「お前さん、生意気なくせに礼は言えるんだな。
とにかく納得してくれたろ?」
「あぁ、納得できた」
ちゅーか、納得せざるを得ない。
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