第一章 ~機械なんかぶっ飛ばせ~

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その言葉で正気に戻る。 思ったよりもレーザービームは速くない。 その場にしゃがむと、スレスレをレーザービームが通り過ぎた。 壁にはレーザービームで空いた穴が。 「援護するから早くこっちこい!」 さっきのおっさんが手招きをしている。 しゃがんだ状態から一気にフル加速だっつーの。 パシュッ パシュッ レーザービームが放たれた音がする。 尋常じゃない速度で走る俺は、おっさんの横まで辿り着いた。 俺に迫ってきていたレーザービームに、おっさんがさっき俺に投げてきた黒いローブを広げてガードしようとしている。 そりゃ無理ってもんだぜっ!? 劣化しているとはいえ、コンクリートの塀に穴を空けるんだぜ? ボフンッボフンッ… ローブの前で消えるレーザービーム。 ありえねぇだろ? 「ほらっ、ボケッとしてねぇで走れっ!」 「おっおぅ!」 おっさんがレーザービームを黒いローブで防ぎながら逃げる。 受付の下の隠し階段に逃げ込んで、ホッと一息ついた。 「…あ…ありがとう」 「お前さん、生意気なくせに礼は言えるんだな。 とにかく納得してくれたろ?」 「あぁ、納得できた」 ちゅーか、納得せざるを得ない。
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