―序章―

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拝啓 お父様・お母様 さて、僕はどこにいるのでしょう。 家も街並みも変わらないはずなのに、全く違う街にいるような感覚がします。 さっきまであったはずの僕の部屋の家具はなくなり、さっきまで元気に泳いでいたはずの金魚もいなくなってました。 もちろんさっきまで聞こえていた、お父様とお母様の喧嘩も声も聞こえません。 どうなっているのでしょう? 本当にどうなってるんだ? さっきまで部屋の片付けをしていたんだ。 来週からは就職のために一人暮らしを始めるから、実家の部屋を整理していたはずなんだ。 懐かしいアルバムを開いて、昔を思い出してたんだ。 そして押し入れに宝箱と書いたダンボールを入れてたのを思い出して、押し入れに体ごと入ったら…。
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