―序章―

6/7
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
なんつー格好って…確かにおっさんに比べたら軽装だけどな。 だっておっさん、迷彩柄のつなぎにミリタリーブーツだもん。 自衛隊か? 「お前さん、いつこっちに来たんだ?」 「…えっ? こっちって?」 「まだ分かっちゃいないって事は、まだ来てすぐだな。 説明するからこっちにこい! 見つかる前に隠れろ!」 そう言われ、すぐ目の前のビルに入れられた。 なんなんだ、この強引なおっさんは? ビルの一階の受付の裏にまわると、タイルを一枚剥がした。 そこには階段があった。 「非常事態の時に使う通路だ。 ま、こんなのは知ってる奴はいねぇよ。 社長と幹部くらいしか使えないもんだし」 「…じゃあなんであんたは知ってんだよ?」 「くっくっくっ、口の聞き方も知らねぇのか。 しかし好きだぜ、そうゆう奴は」 階段を降りながらおっさんは言う。 なんだっていいが、早く状況の説明をしてくれ! 階段を降りると、扉が3つあった。 そこの右の扉を開けるおっさん。 「おぅ、そこに座っておけよ」 電気をつけながら、横のクローゼットを開ける。 大人しくL型に置いてあるレザーのソファーに腰掛けた。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!