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「ねぇ、あのメイドさんは泳がないの?」
不意に恭子がそんな事を聞いた
「え?……ん~どうだろうな…」
「どうせ、去年あんた達が変な事したんでしょ?」
「だから、ためらってるんだぁ~」
当たりである
去年、輝達はこのメイドによって散々な目にあったのだ
「いいわ、私が呼んで来る」
「え!?は…春!?」
明は海から出てメイドの前まで行く
「メイドさん、名前はなんですか?」
「雫です」
メイドは無表情に明を見て答えた
「雫さんですね、雫さんは泳がないの?」
「私はそばにいるように言われただけなので」
マニュアル通りの返しである
「皆と海に入った方が近くになるわよ?それに、変な男から私達を守って欲しいわ!」
変な男=白鳥、輝、啓吾
の三人である
「………わかりました…」
雫は重い腰を上げ
皆が待つ海へと明と向かう
海ではビーチボールの投げあいをしていた
雫が海に着いた時に調度ボールが向かってきた
「あ!……あぶ……」
明が言いかけた瞬間
雫は綺麗なフォームでボールを打ち返した
見事に命中
ボールは輝の顔に当たり
輝はそのまま海の中に倒れた
「私も混ぜて下さい」
皆は頷いた
輝はそのままぷかぷかと浮いている
「……だらし無いわねぇ……」
明のそんな言葉が痛かった
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