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『そうかい
そいつは良い。』
老人は笑顔のまま続けた。
『君は機械化に対する受容性が他の被験者より遥かに高かったからね。
逆に言えばそれ故に今後起こる例外的障害の予測が困難なんだ。
何か些細なことでも気になることがあったら聞かせてもらえないかな。』
「・・・」
俺はその無意味な問いを黙殺した。
そう、意味などないのだ。
検査によって俺の思考や思想、感情、その他全ての行動は
逐一チェックされているため、俺にプライバシーなど存在しない。
老人はそれをわかった上で問いかけているのだ。
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