機械化

３

『頭を叩き割ったとき
脳ミソと一緒に金属が中から飛び出してきて

そんときやっと自分が機械化されたことを半分だけ信じたよ。』

そう寂しげに笑った彼の顔には

そのときの傷だろうか、
右目の上から後頭部へかけて斜めに稲妻型の大きな傷跡がついていた。

俺も時折彼ほどではないが
自分の存在をひどく疑うことがあった、

全てがデジタル化された世界で

いったいどうやって俺は人間であると証明すればいいのだろうか。