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《まもなく、SAF航宙1023便-"地球発ライバ行き"ハウードリッヒ号が出航致します。お席に着き、安全の為にお座席のシートベルトを絞めて下さい》
そんなアナウンスが流れる。
「……じゃあ俺は席に戻るわ」
「うん、また後でね」
那奈と別れて座席に座る。
伸也の座席は幸治の隣の通路側、一番左の席である。
エコノミークラスで、他の一般客もいる。広さはと言うと、丁度旧時代の『ジャンボジェット』くらいの広さだ。
また、基本航宙船は揺れないのだが、万が一の事も考えられて、出航時の座席でのシートベルトの着用は義務化されているのだ。
もう一度、座席につき、シートベルトを締めるようにアナウンスがあった後、出航した。
………………
…………
……
…
出航して、それなりの時間が経過した。
結局先生が何故注意深いのかは良く分からなかった。
伸也は時間を潰すために、付近の友人達とトランプにいそしんでいた。
と、突然警報音が鳴りだした。それと同時に船体がグラグラと揺れ出す。
「な、何事かね?!」
と一番に声を出したのは学年主任の先生だった。
《ぎ……業務連絡です》
と、館内放送が鳴る。
《船内従業員は直ぐに、ブリッジまで至急来てください。繰り返します……》
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