Faze.01

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 その声は男性のもので、放送からは他にも怒号が聞こえていた。  明らかに慌ただしい。  艦内従業員が数人伸也達の横を慌てて横切っていた。  と、同時にフライトアテンダントの一人がマイクを取ってこう言った。 《お客様にお知らせいたします。ただいま、何らかのトラブルが起きて、船内が大変揺れます。お席を立っているお客様は、直ぐにお座席の方に戻って、お席をお立ちにならないようにお願い致します。繰り返します……》  その慌ただしさに、乗客はどよめきが起きる。 「一体何が起こってるんだ?」  と言う乗客の声が聞こえる。 「なあ、あ、赤羽……!」  窓際に座っていた友人に呼び掛けられ、伸也は彼の方を向く。 「どうしたんだ? 佐藤」 「あれを見てみろよ!」  彼の慌てた様子に、伸也は疑問を抱きながら外を見た。 「……なっ!」  攻撃用駆逐航宙船が、その砲身を此方に向けているのが良く見える。  現在は通常宇宙空間にいるようだった。 「なんでこんな所に軍用航宙船が……?」  伸也の疑問は、直ぐに明らかになった。  突如、館内放送が鳴り出す。 《我々はフェルガント帝国軍だ。貴艦は我々の船の砲身に狙われている。無駄な抵抗は辞めて速やかに投降されたし》
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