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船内が激しく揺れ、耳には警報音と共に、恐怖からの叫び声が聞こえる。
「キャァァァァァァァァ!!」
その声すらも、爆音で掻き消される。
現在、所属不明の戦闘航宙船が、一般人の乗る民間用航宙船に攻撃を仕掛けていた。
直撃こそはしてはいないものの、船体に掠めるように、レーザー砲を撃ってくる。
エンジン部に直撃すれば、クォドラティックエンジンを積んでいるこの航宙船は、異次元の彼方へと消滅してしまうであろう。
また、外壁に穴が空けば、乗員は宇宙の藻屑となってしまう。
少年…赤羽 伸也は、丁度窓際の、其の様子が見える席に座っていた。
中肉中背、髪は茶色がかった黒色で、瞳も同じ色をしている。
彼の周りの人間は、地球の『日本』の高校生で、服装は学生服である。
「赤羽! どうなってんだよ! これ!」
彼の隣で喚く少年は、幸治・レイブス。伸也の同級生で、友人である。
伸也とは対照的に、ストレートの金髪に、白い肌、金色の瞳をしている。
「知るかよ! 俺に聞くな! てか、暑苦しいから離れろ!」
伸也はそう言って、幸治を引き離そうとする。
「俺達……もう駄目だよ! 死んじゃうよ!」
泣きべそをかいている情けない友人の頭に手刀を浴びせる伸也。
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