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「死ぬ言うな! 死ぬと! てか、纏わりつくな! 気色悪いなっ!」
伸也は幸治の頭を連続してチョップする。
窓の外では、漫画なんかでしか見掛ける事の無い、軍用人型戦闘兵器が銃口を向けている。
牽制の為か、銃を船体を掠めるように撃って来る。
そのたびに船体は揺れる。
「み、皆さま! キャアッ! お、落ち着いて下さい!」
足元が不安定なせいか、ふらつきながらフライトアテンダントのお姉さんがそう、マイク片手に言うものの、誰も落ち着ける様子では無い。
唯一落ち着いている様子の、古文のディスタ・鈴木先生のみである。
しかし、何が周りで起こっているのかを、ちゃんと理解しているのかどうかは不明であるが。
「赤羽くん!」
と、伸也は背中を叩かれ、振り向く。
其処には、腰まである長く黒い髪の少女、クラス委員長の若葉 真由美が居た。
「なんだ? 委員長!」
伸也がそう尋ねると、真由美は孝治をちらりと見る。
「あんた、何男にしがみついているのよ! キモいわよ」
真由美は呆れた様子でそう言った。
「ひどっ! 委員長酷い!」
孝治はそう抗議しつつも、伸也にしがみついたままである。
「孝治……説得力無いから……。で、委員長。何の用だよ」
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