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「赤羽くぅん~」
そんな、イラっとするような声音で此方に来たのが幸治、ヤン・ソウメイである。
ありていに言ってしまえば伸也の悪友である。
「げっ、幸治!」
と言ったのは、伸也ではなく真由美である。
「おやおやクラス委員長さんまで」
ヤンはニヤニヤしながらそう言うと、伸也の肩を引き寄せる。
「まさか、俺達に抜け駆けで両手に花なんて事は無いよな?」
ヤンはそう、伸也の耳元で囁く。
伸也は、ため息をつきながら適当な答えを考えようとすると、ミーヤが怒り出した。
「Stop! シンヤはワタシ達と先に約束シタんデスよ?」
「だがしかし、赤羽は我々の同士なのだ!」
「ちょっ! なんだそれ!」
幸治の高らかな謎の同士宣言に、伸也は抗議の声を上げるも、華麗にスルーされてしまう。
「と言う訳で、同士赤羽は我々が頂いた!」
「意味が分からんぞ幸治! ちょっ! ヤン! 引きずるな! 痛たたたたたた……」
伸也は那奈達の前からあっと言う間に強制退場させられてしまった。
「…………」
ポカンとしていた那奈に、真由美はため息をついてこう言った。
「作戦……失敗ね」
「Oh , No ……。最大の障害デス!あの二人は!」
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