1613人が本棚に入れています
本棚に追加
/390ページ
授業どころではなくなってしまった教室。
氷室はママさんたちからサイン攻めにあいながらも、ニコニコしながらその全てに応える。
しかも、勝彦までかなりしつこくせがまれて、しぶしぶサインをさせられてしまった。
こうなると次の標的は、歌姫SAYUKIの娘である。
「やっぱ似てるよね」
「うん。超可愛い」
「美緒ちゃ~ん」
「あっ、こっちむいた」
もうほとんどパンダ状態。
「皆さんお願いですから授業を!」
担任の香川は半泣きで頼んだ。
もちろんママさんたちはそれを無視。
「すみませんが、娘はまだ母親が人気歌手だってことを理解してませんので、あまり騒ぎ立てないでやってもらえませんか」
「えっ、何で!」
「どうして?」
「テレビでSAYUKIがママだって教えてないの?」
止まらないマシンガントークに、勝彦はほとほと困り果てた。
最初のコメントを投稿しよう!