そして10年後

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何とか授業参観を終わらせたものの、帰り際に勝彦は担任教師と校長先生に呼ばれ、 このままでは授業に支障をきたしかねないので、転校を検討してほしいと頼まれてしまった。 困った。 やはり私立に通わせるべきだったのだろうか? でも、勝彦も紗由貴も公立小学校の卒業だし、娘にも出来るだけ近所に友達を作って欲しかったのだが…… 正常な授業に支障をきたすなら、致し方ないが学校側のお願いも受け入れなければならないだろう。 勝彦は氷室の運転する車に乗せてもらい、自宅マンションへと帰ってきた。 もちろん氷室は遠慮なくそのまま部屋に上がりこむ。 「ねぇジュンちゃん」 勝彦がキッチンでコーヒーを落としているとき、リビングのソファに座った氷室に美緒が話しかけた。 「なんやねん?」 「んとねぇ~」 美緒はチラっと勝彦のほうを見た後、小声で氷室に話した。
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