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「いや……それは……ジュンちゃんにも分からへん」
「嘘!!」
「いや……」
氷室は六歳の女の子相手に、本気でやり込められる。
「嘘つく人、美緒嫌い」
「ちょ」
「もうジュンちゃんなんか遊んであげない」
美緒はプイっと横を向く。
「え~~なんでやねん」
「知らない」
横を向いたままで冷たい口調。
「分かった分かった。教えるからそんなん言わんでくれ」
美緒のことが可愛くて仕方ない氷室は本気で焦った。
「じゃあ教えて」
美緒がニコッと微笑む。
「うん」
美緒に嫌われるなんて、そんなことはあってはならない。
恋愛経験豊富な氷室なのに、こと美緒には敵わないのだ。
氷室は心の中で中川夫妻に謝った。
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