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「嘘なんかついとらんやん」
焦った氷室を美緒がジロっと睨む。
「な、な、なんやねん?」
「ジュンちゃんって嘘つくとき鼻触るってママが言ってた」
「えっ!?」
「もう知らない」
美緒はまた横を向いた。
「ちょ、ちょっと待ちぃって、言うから! ちゃんと言うから」
大の大人が完全に手玉にとられている。
「じゃあ教えて」
「わ、分かった」
氷室は大失敗を心の中で反省しつつ、どう話すべきか悩んだ。
しかし……とっさに良い案は浮かんでこない。とりあえず美緒に嫌われることはあってはならないのだ。
「ジュンちゃん!」
「は、は、はい!」
美緒に詰め寄られて、氷室は観念した。
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