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「俺は、はした金でこの教団に引き取られたんだ。つまり、親に売買されたんだよ。
俺の調教をしたのは、確か今の教団長だったか…」
まるで、昔話を懐かしむ様に語り出す渫呀。その様子を怯えるようにすくませる兎月がいた。
「…最初は、俺も怖くて怖くて堪らなかった。
そりゃそうだろ?
同性同士なのに身体中貪る様に舐められて、相手の自身をしゃぶらされて…。
最終的には、アレを挿れられるんだ…。
でも、ヤられていくうちに変わるんだよ。
こんなに、気持ちがいいことはないってね。
本当は、俺もどっかの金持ち貴族に売られる筈だった。
だけど、俺は此処に買われた。いや…、飼われたと言うべきか。
一番最初に任された調教は、血の繋がった弟だったなぁ。教団長の真ん前で調教してやった。教団長は、ご満悦だったよ。
そして、今じゃ俺は教団長のお気に入りだ」
クスクスと渫呀は、肩を揺らしながら笑っていた。
兎月は、驚愕して目を見開き、握り締めた手に力を込めた。
「…自分の弟にまで手を下したの?貴方は…」
「自分が売られたくなくて泣きすがって来るのが弟?
全く馬鹿らしい。
俺が売られる所を満足そうに笑っていた奴が?」
渫呀は、憎しみと笑いが入り交じった顔をした。
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