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エーゲ魔法中央学園は特殊な造りになっており、街の中心であるエーゲ城の周囲を囲む様に建てられている。
そのため、戦争の際にはその広大な土地を城の護りに使われる。
学園と街は四つの橋がかけられ城を囲む学園を更に囲む様に堀りが掘られている。
護りのエーゲとゆう二つ名を持つこの街は戦時になると住民を学園の敷地内にいれすぐさま大きく四つに分けられる区画を放棄しすぐに篭城することができる。
そんな、エーゲ魔法中央学園の入学式は今日執り行われる。
新入生は正門のある大きな道を進み橋を渡る。
周りには先程の少年と同じ服装をしている生徒達が和気藹々と歩いている。
そんな華々しく胸高らかに歩く新入生達を傍目に少年が歩いているのは道の一番端っこであった。
そんな少年を待っていたかの様に新入生の指定服装である黒いローブを着込んだ三人が彼の前を塞いでいる。彼等は、少年を見つけるなり嫌味な笑いを少年に投げつける。
Es「よぉ、お前も今日から学園の生徒か?良い御身分だよなぁ?アル?」
アルと呼ばれた少年は下を俯き黙り込んでいる。
話し掛けてきた三人の中央にいる傲慢そうな彼はエステーニ=ユイール。
ユイールと言う名前は少しばかり名の知れた公爵の爵位もちであり、その名家の長男のエステーニは親の権力を振るい好き勝手している。
Es「あッ違うか、咎人(トガビト)様か……」
そして付け加えるかの様に今では禁止とされているその異名を呼ばれる。
アルは、そう言われると俯いていた顔を真っすぐエステーニに向け睨みつける。
その瞳は金色の右目に、赤く輝く左目と、互いに色彩が違った目がエステーニを睨めつける。
Es「おぉ、こえ~……」
エステーニ達は逃げるように、しかし悠然と学園に向かって歩いていく。
アルもまた何も無かったかの様に学園に向かって歩きはじめた。
咎人の特徴は、目がオッドアイなのが多い。またそれに加え人よりも魔力の量が多いことである。
人々はそんな彼等を恐れ差別し道具として扱った。時には、人生の全てを失わされたり、殺人鬼や暗殺者に仕立てられたり、最悪の場合は、一生日の当たらない生活を強いられたりされてきた。
そんな人々は彼等を見て罪を犯した人の意味として、咎人と呼んだ。咎人に自由を与えないために……。
そんな咎人達を救うためにエーゲ国の国王は法律を創りアル達はその庇護で生きている
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