5154人が本棚に入れています
本棚に追加
/1324ページ
紗智はお寺の階段を軽快に上り、境内に入った。
夜になると電灯が少なく、暗いお寺だが今日は月灯りのおかげでいつもより明るく見える。
(自然の灯りってのもなかなかおつですなぁ。)
満月を眺める紗智の気分は上々。
ここでも華麗なスキップを踏む。
軽やかにスキップをしながら境内を回る。
ブニッ
『!?』
紗智の足に柔らかい感触が伝わり紗智は驚いて下を見下ろした。
『ぎゃっ!人!?わぁぁごめんなさい、ごめんなさい!』
紗智は横たわっているであろう人の頭を思いっきり踏んでいたのだ。
(あわわわぁ今日スニーカーで良かったぁ。ピンヒールだったら頭に穴空いちゃってるよ。)
踏んだのには変わりないのだがスニーカーと言う事で何故かホッとしていた。
『あ、あの、大丈夫ですか?』
紗智は恐る恐る声をかけてみるが返事はない。
『ヤバッ私もしかしてトドメ刺しちゃった系?』
紗智の顔から一気に血の気が引く。
慌てて脈をとった。
脈をとるなど看護師の紗智にとっては朝飯前である。
最初のコメントを投稿しよう!