嵐到来

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夕方。 今日も紗智は総司より早く寝ようと仕事を早く終わらせ、そそくさと部屋に戻る。 紗智は障子を開けた。 (げっ、総司!) そこには正座をして目を瞑っている総司がいた。 紗智は慌てて部屋から逃げようとする。 『紗智さん。』 久しぶりに総司の声を聞いた。 紗智の胸は苦しくなる。 『こっちに来て下さい。』 総司の言葉に促され、紗智はしぶしぶと総司の前に腰を降ろした。 紗智はチラリと総司の顔に目を向ける。 近くで顔を見るのも久しぶりだ。 総司の表情は真剣だった。 紗智は緊張した。 (ついに振られる?)
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