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紗智は総司の言葉に反応する。
(町で…)
頭の中にコウの姿が浮かぶ。
紗智は妙に苛立ちを感じた。
『へぇ~。あのコウって人と一緒に選んだの?』
紗智の言葉に総司は目を丸くし驚いている。
『ち、ちが…』
『何?二人で私の事馬鹿にしてんの?それとも憐れみ?』
紗智は総司の言葉を遮り続ける。
『総司だって迷惑だって言いながら毎日出掛けちゃってさ、やっぱり若い子が良かったの?』
紗智は皮肉そうな笑みを浮かべ総司に畳み掛ける。
(違う、こんな事言いたいんじゃないのに。)
それでも紗智は自分の言葉を止めれなかった。
『私が嫌になったらはっきりそう言えば良いじゃん!こんな回りくどい事しなくてさ。その櫛だってあの子の方が似合うって思ってんでしょ?そんなの物貰いたくもない。』
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