嵐到来

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総司とコウは川辺に腰を降ろした。 紗智は隠れる様に木の影に身を潜めた。 『総司、私と一緒に江戸に帰ろう。』 コウは総司の肩に寄り掛かる。 それを見ている紗智は殺意が芽生えた。 (総司、そのままコウを川に突き落とせ!) 紗智は心の中で叫ぶ。 『止めて下さい。私は帰る気はありません。それに会うのはこれっきりです。』 総司は寄り掛かるコウをのけ、きっぱりと言いきった。 コウは驚いた顔を見せる。 『痛っ!』 コウは左手を押さえだした。 遠目からの紗智からも分かる、着物の袖からチラリと左手首の酷い傷痕が見えた。 コウの行動に総司は苦い顔をする。 (こうやって総司を苦しめてるのか。) 紗智は今にも飛び出したい気持ちを押さえる。 『私が未熟なばかりに貴女が傷付いてしまった事は謝ります。でも私は貴女とは…』 『止めて!それ以上言わないで。』 コウは立ち上がる。
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