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『あはは。頭を上げなさい。それで願いって言うのは何だい?』
近藤は優しく微笑む。
紗智は意を決して近藤の部屋を訪れていた。
紗智は深々と頭を下げている。
『はい、実は…』
紗智は迷う。
武士にとって病が知られると言うのは弱みを知られる事と同じだ。
総司はそれを知っていて隠しているとも考えられる。
(私がバラしても良いのかな…)
紗智は黙りこんでしまった。
近藤は首を傾げて紗智を覗き込む。
『総司に休暇を貰えないでしょうか。』
紗智は理由も告げず、近藤に言った。
休暇が貰えれば誰にも知られず治す事が出来る。
紗智は淡い期待を抱いていた。
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