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「繁華街まで買い物行かない?」
と、言った。
「行く行く~っ」
私は答えてテラスから飛び降り、トリスの元へ走る。
「クリスお姉ちゃん!ミーアお姉ちゃんが……」
ユウノがテラスの上から呼ぶけど気にしないでトリスの腕を掴む。
「行こう!」
「えっ!誘って置いて言うけど……良いの?」
「良いの!トリスだってどうせネスティ先輩の制止振り切って来たでしょ」
「う゛っ…それは…そうだけど……あたしがネスに怒られるのはいつもの事だし…」
ネスティ先輩は蒼の派閥で私達の一つ上の先輩、バスク家の養子になった人なんだそう。
私は遠くからトリスを叱り付ける所を見ただけだけど。
よくトリスから文句というか愚痴を聞く。
二人は兄妹みたいに育って来たみたい。
家の門から外へ出ると、彼女の護衛獣であるバルレルが腕を組んで居た。
「待たせたわね、バルレル」
「おせーんだよニンゲン」
トリスは彼に話し掛ける、返ってくる返事は素っ気ない。
そんな何気ないやりとりを見ながら、私はトリスと初めて出会った時を思いだす。
蒼の派閥の中庭。
私は図書館が混んでいたから外のベンチで図書館から借りてきた召喚理論の本を読む事にした。
数ページ読み進め、ふと顔を上げると、近くの木の上に彼女はいた。
何をしているのかと近寄ると、
「……すぅ……すぴー」
寝ていた。
よくこんな所で眠れるなと思い、しばらく眺めていると、
ガサガサ
「え?」
ドサッ
「痛ったぁ~」
彼女は落下した。
木の枝から滑り落ちたのだ。
その衝撃で彼女は起きた。
「えっと………だ、大丈夫ですか?」
突然の出来事で戸惑い、やっとこの言葉を掛けると、
「大丈夫…かな……」
ぶつけた所を擦りながら彼女はいった。
「本当に?痛そうに見えるけど……大丈夫ならもうすぐ授業始まるし、私行くね、遅刻とか欠課はあまり付けたくないし」
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