Lesson 2

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「おはよう」  朝、チャイムが鳴ると同時に教室に入る。 「おはよう」  席に着く前に、珠実と美佳に挨拶をする。珠実は朝練があったのか、机に突っ伏しながら片手を挙げた。走り込みだったのかな……バスケ部は大変だね。  私は段々と窓際に近づく。美佳は窓際前から3番目の席で、窓の外を見つめていた。  私は窓際のひとつ隣、美佳のななめ後ろの席に座る。 「美佳っ」  あれ、聞こえてないのかな。もう一度呼んで、美佳はやっとこちらを向いてくれた。 「あ、すず」  美佳は何かを言おうと、私に椅子を引きずって近づいてきた。でも、先生がやってきてしまったので、戻っていった。  ふと先生の方を見ると、教卓の前ののっぽな学ランが目についた。後ろの席の人は黒板見にくいだろうなあ、とじろじろ見る。 (……メガネくんだ)  先生の声が彼の名前を呼ぶ。 「黒沢壱太」 「はい」  明朗な優しい声。  くろさわいちた、か。 「ふーん」  私は大きなあくびをした。
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