Lesson 2

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「面倒なことになっちゃった」  1時間目の授業が終わり、休み時間。美佳は私を見てため息をついた。 「面倒なこと?」  首を傾げると、美佳は眉をハの字にしてうなずいた。 「まだはっきりとはして無いんだけど……珠実には言わないでね、言ったらきっと大騒ぎになるから」  そう言って、私の机の上に小さく折り畳まれた紙を5つ置いた。 「こういうことする暗い奴っているのよねえ」  ひとつ開いて見ると、手のひらサイズの白い紙に、「ペア解除するように」と赤いペンで書かれていた。 「何これ」  美佳を見ると、困ったように笑いながら、残りの4つも開いていった。 「うわー」  私はあからさまに嫌な顔になった。そこには、太い黒のマーカーで「死ね」と書かれたものから「森屋くんはみんなのもの」と書かれた勘違いも甚だしいものまであった。 「森屋くんは森屋くん自身のものじゃんね」  私はぶつくさと文句を言いながら、5枚の手紙をビリビリと破った。
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