Lesson 2

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「あー、すず、何で破っちゃうの」  ぷくーっと頬を膨らませて、美佳は私をにらんだ。 「筆跡鑑定してみたかったのに」  私はえへっと笑った。 「つい、ムカついて」  グシャグシャと破った紙を集め、ゴミ箱に捨てるために席を立った。ざわめく教室のドアが開いて、珠実が戻ってきた。 「どこに行ってたの?」  美佳は表情を変えて、私の席に座った珠実に笑いかけた。私はゴミ箱から二人のもとへと戻る。 「トイレ」 「長かったね」  私が自分の席の前の椅子に腰掛けると、珠実は混んでたの、と笑った。 「そういえば、美佳、話題の人物になっちゃったね」  珠実は背もたれに体重をかけ、腕を組んだ。 「トイレでも、噂されてたよ」 「なんて?」  美佳は身を乗り出した。 「ずるいって言われてたかな? あとは、諦めないで誘えばよかったー、とか」  ほっと胸をなで下ろす美佳を見て、珠実は眉をひそめた。 「何かあったの?」  美佳はぶるぶると首を振って、笑った。
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