Lesson 3

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「雨だねー」  文化祭まであと15日。窓の外を見ながら、美佳がつぶやいた。 「今日傘忘れたよ」  珠実が面倒くさそうに髪をかきあげた。 「天気予報は晴れだったもんね」  私は2人の間でくふっと笑った。 「私は持ってきたもん、傘」 「すずはいつも鞄に折りたたみ傘入れてるもんね」  珠実は私を見て優しく目を細めた。 「貸しなさいよ」  美佳はやけに真剣な声で言う。 「ヤだよ」  ケケケッと笑うと、美佳に頭をぐちゃぐちゃにされた。ただでさえ雨の湿気でまとまらなかった髪が爆発した。 「私くせっ毛だから直らないのにー」  美佳がポケットから鏡を出して私に手渡す。受け取って鏡の中をのぞくと……想像以上に飛び跳ねた髪型。美佳を盗み見れば、笑いをこらえて口を押さえている。 「クッ」  押し殺した笑い声が聞こえて振り向けば珠実まで! ヤマンバみたいな私にしたのは美佳なのに。ぶうっとふくれる。 「葛西」  そんな中、美佳を呼ぶ森屋くんの声。見ると、教卓の位置からこちらに笑って小さく手招いている。 「何?」  美佳は一瞬肩を震わせ、笑顔で森屋くんに一歩近づいた。
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