Lesson 1

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「あたしさ、このクラスの森屋くんカッコいいと思うんだけど」  セミロングの茶色がかった髪を、2つにゆるくまとめている美佳が口を開いた。  美佳はおしゃれに目がなくて、いつもかわいいゴムで髪をアレンジいるし、靴下のワンポイントは「ヴィヴィアンウエストウッド」だったりする。そのブランドはよくわからないけど、美佳が選ぶってことは、きっと有名なかわいいブランドなんだと思う。 「森屋ぁ?」  ショートカットのふんわりした髪を揺らすのは、きりっとした目が印象的な珠実。  さっぱりとした性格の珠実は、すごい大食いだけど女の私からしても羨ましい、ほっそりした体つきをしている。 「カッコいいんだって、ねぇ、すずはどう思う?」  美佳がかわいい笑顔を私に向ける。赤い頬にキチッと上を向く長いまつげ、大きな瞳。 「ちょっと……わからないかな」  こういう話には、いつもついていけない。「カッコいいかどうか」なんて、今まで気にしていた「おもしろいかどうか」とは、また違ったものだから。 「まあ、すずはねー」  2人はそう言って、私の頭を撫でた。 「純だからね、純」  なんだか、そう言われるのは、悔しい。  私だけ、置いてけぼりにされている気がして。  でも、対抗する術をなにも持たない私は、ただただ笑うしかなかった。
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