第1話:百万度の正義

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糸魔木改めスパルダンは、 男の足を掴んだまま口を大きく開けた。 その瞬間、口から白い糸の塊を吐き出すと男を吹き飛ばした。 突然の攻撃に男は、窓ガラスをぶち破り外に落ちた。 「メーバー!! テメェらは丁重に女を殺れ! 俺っちは、野郎をぶっ殺す!」 「ジィーッ!!」 部下に指示を与えると スパルダンは、両手から鋭利な刃物を抜き窓から外に降りた。 施設の外では、窓から落ちた 男は胸に張り付いた粘着糸の塊を拭い取った。 三階から落ちたようだが、 痛みは無い。 「痛くない……? どうなってんだ?俺?」 それにさっきの行動 彼女を守る為に咄嗟に動いたが、どうやら連中には自分が動いた事も分からなかったようだ。 「妙な施設に化け物 そんでもって何処の誰か分からない俺……」 そして、明日香を助けた時から高鳴る心音の激しさ まるで、胸の中に熱した鉄の玉でも入れられたような熱さ 「さぁーって実験材料! 今すぐバラしてやんよ!」 その時、男の真上から声が聞こえる。 真上を見るとスパルダンが施設の周りにある木々に糸を張り巡らせ立っている。 「よう、あんた……」 「ああ?」 「あんたは、俺の事知らねえか 此処の警備隊長なんだろ?」 「確かに俺は、此処の警備隊長を務めてるがテメェみたいなのは見た事ねぇよ!」 爪を向けるスパルダンに 男は、残念そうに肩を落とした。
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