第1話:百万度の正義

2/17
168人が本棚に入れています
本棚に追加
/600ページ
目覚めた世界は、鈍色の空 其処に太陽は無く 巨大な照明が男を照らす。 そして、その照明を取り囲み 白衣の人間が男の周りで何かを口々に話す。 「バイタルは、安定を保っているようです」 「肉体の方は?」 「問題ありません アレとの肉体への適合率も順調のようです」 白衣の連中は、口々に何かを話している。 男は、虚ろながら話の内容を 聞いていると一人の初老の男が口を開いた。 「此処までは、成功だ あの方もお喜びになる筈だ……後は………に…任せ………頼んだ……音無君……………」 段々、頭が朦朧とし話も上手く聞き取れない。 だが、一つ解ったのは 初老の男と話す栗毛色の髪を 後ろで束ねた女が、音無という名前だと言う事だけだった。 「了解です、後は私にお任せ下さい」 凛とした声で何かを説明する 女は、頷きながら男に視線を向ける。 しかし、既にこの時には、 男の意思は深い眠りに就いていたのだった。  
/600ページ

最初のコメントを投稿しよう!