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朦朧とする頭を抱え自分を思い出そうとするが、頭に靄でも掛かったかのように男は、自分の名前や自分に関する断片的なモノさえ思い出せない。
「これが、記憶喪失ってヤツか……」
何とも素っ頓狂な言い草だが、
如何せんこの部屋には、自分に繋がるモノは一切存在しない。
男は、記憶喪失である事を落胆もせずただ、ベットに座り周囲を再び見回した。
よく見ると部屋の隅に監視カメラが一台、赤いランプを点滅させていた。
「監視されてるって事は、
此処には誰か居る」
男は、自分を詮索するのを止め監視カメラを睨み付けた。
監視カメラが動いているという事は、この部屋は誰かが監視している。
朦朧としていた頭が次第に
クリアになっていき男も冷静に状況を理解する。
………パンッ!!
とその時、男の耳に銃声らしき音が入って来た。
そして、間髪入れず真っ白な部屋の隅が勢い良く開き何者かが入って来た。
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