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明日香について行くと目に入ったのは、壁や天井に至り付いた弾痕の後が銃撃戦を物語る。
廊下には、薬夾や空のマガジンに弾切れのMP5に黒ずくめのボディアーマーを着た特殊部隊らしき死体が転がっていた。
「おい、明日香……
此処は本当に医療施設か?」
明らかに医療施設と言うには、この光景は可笑しい。
これでは、まるで戦場だ。
しかし、男が不振に思ったのはこれほど激しい銃撃戦を繰り広げたと言うのに特殊部隊の死体以外、施設の人間の死体が見つからない。
ただ、ゲル状の液体だけが残っているだけだ。
「表向きはね、実際はーー」
「ゼルバの真人類創世プラントだ~よ~な~
インターポールのお嬢ちゃん」
明日香が説明する前に
何処からか声が聞こえる。
その声に明日香は、銃口を向けた其処には、ボロボロのロングコートを着た赤い髪の男が立っていた。
否、正確には廊下では無い。
天井に立っていたのだ。
「真人類(ニューノイド)!」
「キキキッ、そんな野暮ったい名前じゃねえよ
俺っちは、此処の施設を守ってる警備隊長の糸魔木ってんだ
よ~ろ~し~くぅ~」
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