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お嬢様に説明をすると、私に近づきドラゴンの寝ていたベッドに腰掛け、尋ねてきた。
「ねぇ、さっきこのドラゴン喋ってなかった?」
お嬢様は顔をしかめながら、ドラゴンを見つめて話しかけた。
「アンタ喋れるの?」
「アンタじゃない…僕の名前はレイス」
レイスは未だに私で隠れながら負けまいとお嬢様と睨みあっている。
このままでは埒があかないので手をパンッと叩き、こちらに視線を集めた。
「まぁまぁ睨み会わないで仲良くして下さい。レイス?お嬢様は危害を加えたりしませんよ。お嬢様も綺麗な顔が台無しです」
2人にそういうと、レイスは警戒を解いたが、私から離れようとはせず、お嬢様は顔を赤くしてボソボソと何かを呟いていた。
「レイスが何故喋れるのかはわかりませんが今は怪我をしているのでそっとしてあげて下さい。レイスも私にくっつかず寝て下さい」
「そっそうね。てか、アンタ森になんで散歩なんかいったの?」
お嬢様はすこし慌てながら私に尋ねてきた。隠す必要もなかったので理由を説明した。
「まぁ寝た私も悪かったわ。けどいきなりいなくならないでよね」
照れているのかお嬢様は顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
「心配をおかけして申し訳ありませんでしたお嬢様。今後気をつけます」
いつの間にか蚊帳の外にいたレイスはベッドで横になりながら、ふてくされていた。
「レイスどうしました?」
「僕を忘れないでよね!!」
レイスは忘れられていたのを怒り、私達を睨んでいる。私は苦笑いをしながら申し訳ありませんと謝った。
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