37人が本棚に入れています
本棚に追加
半壊した屋敷の中へ入るとそれは酷いものでした…。人の焼けた匂いや血が辺りに充満しており、お嬢様は気分が悪くなったのかフラフラと旦那様達を探すため、覚束ない足取りで歩いていました。
「ウッ…これは酷い。いったい誰がこんなことを…」
私は匂いを嗅がないよう鼻に腕を覆いながら旦那様達を探しました。
すると旦那様の書斎の入り口で座りこんでいたお嬢様をみつけたので急いでお嬢様の元へと駆けつけました。
「どうしましたお嬢様!?」
「……………」
お嬢様は焦点のあっていない目で書斎を見つめていました。
私はお嬢様の見つめる先を見てしまい、声を失いました。
「お父様…お母様…」
書斎で、旦那様達は……
血を身体中から流し、横たわっていました。旦那様たちの側には身体中返り血を浴びた銀髪の男が長剣を持ち、佇んでいました。
「貴様ッ!!!旦那様達に何をした!!」
「ククッ…何をした?見てわからないのか」
「お父様!!!お母様!!!」
「いけませんお嬢様!!」
駆け寄ろうとするお嬢様の手を掴み、私の後ろに隠しました。私はこんなことをした銀髪に怒りを覚え、腰に隠していた銃を男に向けました。
「貴様目的はいったいなんだ!!」
銀髪の男は笑いながら長剣についた血を舐め、こちらに長剣を向けてきました。
「目的か…しいて言うならただの暇つぶしだ」
「そんなことでお母様達を!!!許さない!!」
最初のコメントを投稿しよう!