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「ティア…よ…よく聞け…私達は…もう…お前を…守れない…だから…涼夜に…ゴフッ…」
「お父様もう話さないで下さい!!涼夜医者を急いで!!」
「もう手遅れだ…話を…きいてくれ…ティア」
血を流しながら話す旦那様を見ながら、私は血が滲む程拳を握り怒りを押さえていました。
「死んではダメですお父様!!死なないで…いやぁ…嫌だお父様!!」
「お嬢様!!!」
お嬢様は泣きながら旦那様に抱きつき混乱していました。私はそんなお嬢様を見たくなく怒鳴ってしまいました。
「すま…ない涼夜…ティアを…頼んだぞ…ゴフッ…私達はもう…だめだ…。
ティア…私達は…お前を愛している…だから…泣かないでくれ…最後に…笑顔をみせてくれ…」
「無理です…お父様…笑顔なんて…」
お嬢様は泣きながらぎこちない笑顔を作り、旦那様の手を強く握り、笑いかけました。
「可愛い我が…娘…テ…ィア……」
「いやぁぁぁぁあ!!!!!」
旦那様はそのまま息を引き取られ、亡くなられました…。屋敷には一晩中お嬢様の泣き声が響き渡っていました。
私はあの時旦那様と約束した言葉を何度も復習しお嬢様を抱き締めていました。
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