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ここからは青年視点になります。
「…!?喋れるドラゴンとは…大丈夫ですか?」
私はいきなりドラゴンが喋ったことに動揺したが、執事たるもの冷静ではいけない。動揺を見られないように話しかけた。
「うん…ニンゲン怖くないの?喋るドラゴンなんて」
小さなドラゴンは体を震わせながら聞いてきた。恐らく喋るドラゴンという理由で傷をつけられたのだろう。しかし、私はそんなことで差別などはしないし、それを理由に傷つけたりはしない。
「気にしませんよ?こんな可愛いドラゴンが喋ったからといって傷つけたりもしません」
私は微笑を浮かべながら、ドラゴンの頭を優しく撫でて上げた。
すると、一瞬ビクッと体を動かしたが気持ち良さそうに目を細めて喉を鳴らした。
猫のようですねと思い、私は笑いながら頭を撫で続けた。
「うっ…グス…ヒッ…」
どうしたのだろうか。頭を撫でているといきなりドラゴンは泣き出してしまった。私は多少あたふたとしながら恐る恐る聞いてみた。
「どうしました…?嫌でしたか?」
嗚咽を漏らしながらドラゴンは首を小さく横に振った。嫌ではなかったんですねと思ったが、では何故泣いているのかが気になり、どうしました?と聞いてみることにした。
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