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朝。
「ふ、ふふっふふっふ…」
僕は今、鏡に写る不適な笑みをこぼす僕自身とにらめっこしているところです。
何てったって…何てったって…!!
「明日はたんじょ(がらっ)
僕が拳王よろしく右手を天に突き上げようとした所で部屋の窓がいきなり開きました。
「優羽?何してるの?」
入ってきたのは海春です。海春の家は僕んちの隣で、まさに目と鼻の先くらいの距離なのです。
だからこうして屋根伝いにお互い遊びに行くのは日常茶飯事なことでありました。
「いや、入ってくるときくらいノックしてくれよ。それで、何か用か?」
こんなことも日常茶飯事なので動じませんよ。えぇ。動じませんとも。
「特に用はなかったんだけどね、なんとなく?」
そう言って海春は笑顔を覗かせて来やがります。
この笑顔には16年間、一度も勝てたことはありません。
へたれって言わないで!!
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