ご法度

7/11
前へ
/11ページ
次へ
 今日の授業は全て終え、3組の担任である松雪東が教卓の前に立って翌日の連絡などを話している。  松雪は親しみやすい性格や女性受けの良い容姿などから、多くの生徒に好かれている教師だ。  年齢で言えばまだ若く、20代の中間ぐらいだろうか。  生物を教えている彼は、いつも白衣を身に着けている。  人としてのタイプは違うが、同年同期らしい美術の菅原と仲が良いことは有名だ。 「明日は生物の小テストやる予定だから、ちゃんと勉強しとけよ?」  思い出したように付け足された松雪の言葉に、生徒は「うわー」と口を揃えて言った。  その反応に笑いながら、松雪は日直に声をかける。 「よしっ、終わり! 日直よろしく」 「きりーつ」  日直の号令がかかり、ダラダラと生徒が立ち上がる。  全員が立ったのを確認してから、日直は「気を付け、礼」と終わりの挨拶を済ませた。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加