甘~い罠

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…これほど学校に行きたくないと思った日はないだろう。 次の日、僕はなかなかベッドから起きることが出来なかった。 母親に叩き起こされ、僕は無理矢理登校させられた…。 「よっ、森田!」 教室の前でウジウジしていると高木がやってきた。 「…高木」 「中入らんの?」 「…」 「バッカだな、昨日のこと気にしてんのか?」 「バカって…」 「…おまえは堂々としてればいいじゃん」 高木はあっけらかんとして言った。 「…でも」 「おまえは悪くないし」 そう言って高木は教室へと入っていった。 僕も続いて教室へと入っていった…。 高木の言葉が、なんだか嬉しかった。
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